Accel-Mart Quick チュートリアルガイド 第14版 2023-02-08

10.9.4. 到達処理

到達処理は、ワークフローの処理が指定のノードに到達した際に実行される業務ロジックです。
ノードAに到達処理を設定した場合、以下のタイミングで実行されます。
  • 「申請」または「承認」によって案件がノードAに到達したとき
  • 案件がノードAに「差戻し」されたとき
  • 案件をノードAに「引戻し」したとき
  • ワークフロー管理者が案件操作で案件をノードAに移動したとき

コラム

業務ロジックを作成する際に、業務ロジックを設定する対象ノードを選択できます。
../../../_images/arrive_process_1.png
図:「業務ロジック登録 - 到達処理」
対象ノードは、「業務ロジック」画面で業務ロジック名をクリックして遷移する「業務ロジック情報」画面で変更できます。

注意

到達処理は、後処理の業務ロジックやワークフローの内部処理とは独立した処理として実行されます。
そのため、到達処理の業務ロジックでエラーが発生した場合でも、直前に行われた処理を戻すことはできません。

10.9.4.1. 利用例

  • 経路を問わず、特定のノードに到達した際にロジックを実行する
  • システムノードを使用したワークフローを作成する

10.9.4.2. 業務ロジックの概要

到達処理の業務ロジックを新規作成すると、初期状態では以下の図のように設定されています。
タスクを追加し、実現したい業務ロジックを作成してください。
../../../_images/arrive_process_2.png
図:業務ロジックの初期状態
到達処理の業務ロジックには、「業務データ取得」タスクが初期配置されています。
当該タスクで、ワークフローのフォームへの入力情報を取得します。
業務ロジック内でフォームの入力情報を使用したい場合は、「業務データ取得」タスクの返却値を利用してください。

コラム

到達処理の業務ロジックには、処理の種別ごとの分岐は設定されていません。
前ノードで実行された処理の種別で場合分けしたい場合は、入力値の preNodeResultStatus を利用した分岐を設定してください。

注意

到達処理の中でデータベースの登録・更新・削除処理を行う場合は、独自にデータベーストランザクション制御を行ってください。

10.9.4.3. 入力値

入力値 説明
localeId<string> ロケールID
tenantId<string> テナントID
applyBaseDate<string> 申請基準日( yyyy/MM/dd 形式)
parameter<string> 当業務ロジックのロジックフロー情報を表すパラメータ
targetLocales<string[]> システムで利用しているロケールID
contentsId<string> コンテンツID
contentsVersionId<string> コンテンツバージョンID
routeId<string> ルートID
routeVersionId<string> ルートバージョンID
flowId<string> フローID
flowVersionId<string> フローバージョンID
processDate<string> 処理日( yyyy/MM/dd 形式)
systemMatterId<string> システム案件ID
userDataId<string> ユーザデータID
actFlag<string>
代理フラグ
  • 0:本人が処理
  • 1:代理先ユーザが処理
nodeId<string> 処理が実行されたノードのノードID
preNodeAuthCompanyCode<string> 前ノード権限会社コード
preNodeAuthOrgzSetCode<string> 前ノード権限組織セットコード
preNodeAuthOrgzCode<string> 前ノード権限組織コード
preNodeAuthUserCd<string>
前ノード処理権限者コード
案件をログインユーザ本人の権限で処理した場合は本人のユーザコードが、代理先として処理した場合は代理元のユーザコードが設定されます。
preNodeExecUserCd<string>
前ノード処理実行者コード
実際に案件を処理したユーザのユーザコードです。
案件を代理先として処理した場合は、ログインユーザ(代理先ユーザ)のユーザコードが設定されます。
preNodeId<string> 前ノードID
preNodeProcessComment<string> 前ノード処理コメント
preNodeResultStatus<string>

前ノード処理結果ステータス

  • draft:起票
  • apply:申請
  • applyfromtempsave:一時保存状態案件申請
  • applyfromunapply:未申請状態案件申請
  • discontinue:取止め
  • reapply:再申請
  • pullback:引戻し
  • approve:承認
  • approveend:承認終了
  • mattercomplete:最終承認
  • deny:否認
  • sendback:差戻し
  • sendbacktopullback:差戻し後引戻し
  • reserve:保留
  • reservecancel:保留解除
  • matterhandle:案件操作
  • tempsavecreate:一時保存新規登録
  • tempsaveupdate:一時保存更新
  • tempsavedelete:一時保存削除
priorityLevel<string>
優先度
  • 9:高
  • 5:通常
  • 1:低
matterName<string> 案件名
matterNumber<string> 案件番号
mailIds<string[]> メール種別「処理結果通知」で設定されているメールID
mailReplaceMap<map>
メール置換文字情報
置換文字列と置換内容の詳細は「IM-Workflow 仕様書 別紙」を参照してください。

10.9.4.4. 出力値

出力値 必須/任意 説明
mailSendFlag<boolean> 必須
ワークフローの「処理依頼」メールを送信するかを指定します。
  • true:メールを送信する
  • false:メールを送信しない

10.9.4.5. 定数

定数ID 説明
TRUE 出力値 mailSendFlag へのマッピングに利用する定数です。
imfrApplicationId
アプリケーションID
「ファイルアップロード情報取得」タスクの入力値等に使用します。
imwFlowId フローID

10.9.4.6. ユーザ定義タスク

到達処理作成時に初期配置される「業務データ取得」タスクに関する情報です。

コラム

「業務データ取得」タスクは「Forma登録情報定義」という種類のユーザ定義です。
「ノーコード開発業務ロジック」というユーザカテゴリに業務ロジック名と同じユーザ定義名で登録されます。

10.9.4.6.1. 入力値

入力値 説明
insertId<string>
データ登録ID
業務ロジック入力値の userDataId を設定してください。

10.9.4.6.2. 出力値

入力値 説明
formaItemInfo<object>
画面アイテム入力情報
フォームの各画面アイテムの入力情報を保持するオブジェクトです。
配下のパラメータ名は画面アイテムのフィールド識別IDです。
複数項目選択可能な画面アイテム(「チェックボックス」、「リストボックス」)は選択された値をカンマ区切りにして値が設定されます。
formaTableItemInfo<object>
テーブル系画面アイテム入力項目
配下にテーブル識別IDをパラメータ名とするオブジェクトの配列を保持します。
formaSystemInfo<object> システム情報
- imfr_sd_insert_id<string> データ登録ID
- imfr_sd_application_id<string> アプリケーションID
- imfr_sd_application_no<long> アプリケーション履歴番号
- imfr_sd_version_no<long> バージョン
- imfr_sd_create_date<date> 登録日時
- imfr_sd_create_user_cd<string> 登録者ユーザコード
- imfr_sd_record_date<date> 更新日時
- imfr_sd_record_user_cd<string> 更新者ユーザコード
- imfr_sd_preserve_flag<string>
一時保存フラグ
  • 1:一時保存
  • 0:一時保存でない

10.9.4.7. 実装例

簡単な到達処理の業務ロジック実装例をご紹介します。
この業務ロジックでは、案件が業務ロジックを設定したノードに到達した際に、ワークフローの申請内容を特定のユーザにメールで送信します。

10.9.4.7.1. 概要

../../../_images/arrive_process_3.png
図:業務ロジックの実装例
以下のタスクを使用しています。
  • 汎用タスク > システム通知テキストメール送信
以下のユーザ定義タスクを作成して使用しています。
  • テンプレート定義「メール本文作成」

10.9.4.7.2. 処理の流れ・設定例

  1. テンプレート定義を利用して、送信するメールの本文を作成します。
    「ユーザ定義追加」から「テンプレート定義新規作成」を選択して、テンプレート定義「メール本文作成」を作成します。
  2. テンプレート定義「メール本文作成」の入力値、テンプレートを設定します。
    今回は、入力値で案件名( matterName )、案件番号( matterNumber )、フォームの入力情報( namepricenotes )を受け取り、テンプレートの所定の位置に埋め込みます。
    テンプレートは以下のようにします。
    <#setting url_escaping_charset="UTF-8">
    
    以下の物品購入申請がXXノードに到達しました。
    
    案件番号:${matterNumber}
    案件名:${matterName}
    
    物品名:${name}
    価格:${price}
    備考:${notes}
    

    コラム

    テンプレート定義の詳細は以下を参照してください。
  3. 「メール本文作成」タスクのマッピング設定を行います。
    案件名・案件番号は業務ロジックの入力値から、フォームの入力情報は「業務データ取得」タスク( business_data_select )から、「メール本文作成」タスクの入力値にマッピングします。
  4. 「システム通知テキストメール送信」タスクを用いて、メールを送信します。
    「メール本文作成」タスクの返却値 output をメール本文( body )にマッピングします。
    メール件名( subject )と宛先ユーザ( toUserCds )は定数に値を設定し、マッピングします。