10.9.14. 前処理(Webデータベース)¶
前処理は、フォーム画面を表示する際に実行される業務ロジックです。
コラム
登録画面を表示する際にのみ実行したいなどの制御は、ロジック内の分岐を利用して実装可能です。
10.9.14.1. 利用例¶
- フォームの入力項目に初期値を設定する
10.9.14.2. 業務ロジックの概要¶
前処理の業務ロジックを新規作成すると、初期状態では以下の図のように設定されています。
タスクを追加し、実現したい業務ロジックを作成してください。
前処理の業務ロジックには、画面の種別ごとの分岐が初期設定されています。
設定されている分岐条件と条件式は以下の通りです。
分岐条件 | 条件式 |
---|---|
登録 | ${ $input.executeProcessType == "regist" } |
編集 | ${ $input.executeProcessType == "edit" } |
詳細 | ${ $input.executeProcessType == "refer" } |
特定の画面種別、例えば、登録画面を表示する際にのみ実行したい処理は、「分岐(登録)」タスクの then から線をつなげるようにします。
複数の、または、すべての画面種別で同じ処理を実行する場合は、それぞれの分岐の then から線をつなげてください。
アプリケーションのフォームの入力項目に初期値を設定したい場合は、出力値の data オブジェクトの配下のパラメータに設定したい値をマッピングします。
パラメータ名は、フォーム作成時に設定したフィールド識別IDに対応しています。
「明細テーブル」、「グリッドテーブル」、「スプレッドシート」のテーブルのデータは、テーブル識別IDをパラメータ名とするオブジェクトの配列です。
以下に data オブジェクトの構造の例を示します。
data <object> ├─ textbox1 <string> ├─ number1 <integer> ├─ calendar1 <date> └─ tb1 <object[]> ├─ [0] // テーブル1行目 │ ├─ tb1_textbox1 <string> │ └─ tb1_number1 <integer> ├─ [1] // テーブル2行目 │ ├─ tb1_textbox1 <string> │ └─ tb1_number1 <integer> └─ [2] // テーブル3行目 ├─ tb1_textbox1 <string> └─ tb1_number1 <integer>
注意
前処理の中でデータベースの登録・更新・削除処理を行う場合は、独自にデータベーストランザクション制御を行ってください。
10.9.14.3. 入力値¶
入力値 | 説明 |
---|---|
executeProcessType<string> | executeProcessType を参照 |
preProcessParameter<object> | preProcessParameterオブジェクト を参照 |
uppParam<object> | uppParamオブジェクト を参照 |
10.9.14.3.1. executeProcessType¶
アプリケーション実行種別を保持します。
画面を表示するタイミングに合わせて以下の値が取得可能です。
- regist:登録画面
- edit:編集画面
- refer:詳細画面
10.9.14.3.2. preProcessParameterオブジェクト¶
画面の基本情報を保持します。
項目 説明 loginUserCd<string> ログインユーザコード applicationId<string> アプリケーションID applicationNo<long> アプリケーションバージョンNO(アプリケーション履歴番号) insertId<string> データ登録ID applicationType<string> アプリケーション種別
- std:Webデータベース
- bis_wkf:ワークフロー
appPageType<string> アプリケーションページ種別
- REGISTRATION:登録
- EDIT:更新
- REFERENCE:参照
processKey<string> プロセスキー
10.9.14.3.3. uppParamオブジェクト¶
画面呼び出し時のリクエストパラメータで業務ロジック用に渡された情報を保持します。
パラメータ名の頭に「 upp_ 」と付いているリクエストパラメータが受け渡しの対象として扱われます。
10.9.14.4. 出力値¶
出力値 | 必須/任意 | 説明 |
---|---|---|
data<object> | 任意 | 更新データオブジェクト
フォームの初期値を設定したい場合は、 data 配下のパラメータに設定したい値をマッピングしてください。
data 配下には、フォームの画面アイテムの識別IDに対応するパラメータが予め設定されています。
|
files<object[]> | 任意 | 更新ファイルアップロードデータオブジェクト配列
フォームに存在する「ファイルアップロード」アイテムにファイルを初期登録したい場合に使用します。
|
- file<storage> | 任意 | 指定したストレージから取得したファイルを「ファイルアップロード」アイテムに初期登録します。
指定するストレージは「パブリックストレージ取得」などのタスクを利用して取得してください。
何も設定しない場合は、指定したアイテム識別IDの「ファイルアップロード」アイテムの登録済みファイルを全てクリアします。
実体がないファイルを設定した場合は、警告ログを出力して処理をスキップします。
|
- uploadItemId<string> | 任意 | 「ファイルアップロード」アイテムのアイテム識別ID |
- notes<string> | 任意 | 「ファイルアップロード」アイテムの備考に設定する内容 |
error<boolean> | 必須 | エラーフラグ
true を設定した場合、当処理をエラー終了します。
処理が正常に終了した場合は false を設定してください。
|
errorMessage<string> | 任意 | 設定したメッセージを例外ログとして出力します。
|
userErrorTitleMessage<string> | 任意 | 設定したメッセージをエラー画面の一行目に表示します。
ロケールごとにメッセージを用意する必要がなければこのプロパティを利用してください。
このプロパティを省略した場合、エラー画面にはデフォルトのエラーメッセージが表示されます。
|
localizedUserErrorTitleMessages<object> | 任意 | 設定したメッセージをロケールに従ってエラー画面の一行目に表示します。
アカウントコンテキストから解決されたロケールに一致するメッセージを使用します。
userErrorTitleMessage が設定されている場合はこのプロパティは使用されません。
|
- ja<string> | 任意 | 日本語ロケールメッセージ |
- en<string> | 任意 | 英語ロケールメッセージ |
- zh_CN<string> | 任意 | 中国語ロケールメッセージ |
userErrorMessage<string> | 任意 | 設定したメッセージをエラー画面の二行目に表示します。
ロケールごとにメッセージを用意する必要がなければこのプロパティを利用してください。
userErrorTitleMessage が設定されている場合に適用されます。
|
localizedUserErrorMessages<object> | 任意 | 設定したメッセージをロケールに従ってエラー画面の二行目に表示します。
アカウントコンテキストから解決されたロケールに一致するメッセージを使用します。
userErrorMessage が設定されている場合はこのプロパティは使用されません。
|
- ja<string> | 任意 | 日本語ロケールメッセージ |
- en<string> | 任意 | 英語ロケールメッセージ |
- zh_CN<string> | 任意 | 中国語ロケールメッセージ |
outputLog<boolean> | 任意 | ログ出力有無フラグ
業務ロジック実行中にエラーが発生した際のログ出力有無を設定します。
このプロパティを省略した場合はログが出力されます。
|
10.9.14.5. 定数¶
定数ID 説明 FALSE 出力値 error へのマッピングに利用する定数です。 imfrApplicationId アプリケーションID「ファイルアップロード情報取得」タスクの入力値等に使用します。
10.9.14.6. 実装例¶
簡単な前処理の業務ロジック実装例をご紹介します。
この業務ロジックでは、登録画面を表示する際にログインユーザのプロファイル情報から住所1を取得し、フォームの「住所」という項目の初期値に設定します。
10.9.14.6.2. 処理の流れ・設定例¶
- 業務ロジックに初期設定されている分岐タスクを使用して、登録画面でのみ初期値の設定を行うようにします。「分岐(登録)」タスクの then と「終了」タスクの間に実行する処理に必要なタスクを追加していきます。
- 「ユーザプロファイルの取得」タスクを用いて、ログインユーザのプロファイル情報を取得します。
- 「終了」タスクのマッピング設定で、出力の data 配下の address に「ユーザプロファイルの取得」タスクの返却値 address1 をマッピングします。data 配下のパラメータ名はフォームの画面アイテムの識別IDに対応しています。今回は、「住所」という項目のフィールド識別IDが address のため、 address というパラメータに値をマッピングします。